30代未婚男

30代未婚男 (生活人新書)

30代未婚男 (生活人新書)

テーマは面白そうなのだけど、本としての出来は?
関係ありそうなデータを拾って、関係ありそうな人に話を聞いてまわってきましたというだけ。
まあ、シンクタンクのレポートなんてこんなものなのかもしれないけど、それじゃあ、本としての体をなさないわけで。
(『下流社会』もそんな感じだけど、あちらの方は、牽強付会に過ぎるとはいえ、著者の意見は出ていた)。
本の最後に、「30代未婚男問題を考えていく中で行き着いたのは、以下のような結論である」として、

30代未婚男問題はきわめて個人的な問題だが、その背景理由には、人間を幸福にしない何か大きな要素が存在していて、その要素は結婚問題に限らず、その他の社会問題を引き起こすかもしれない大きな危険を孕んでいる。

このままいくといつの間にか問題解決が困難になって、自分が不幸に成るかもしれないということに個人は気がつかない。しかし気がついたときには手遅れで、大きなハンディを背負うことになる。

とあるんだけど、そりゃ結論じゃなくて、検証されるべき仮説だっての。