新平等社会
- 作者: 山田昌弘
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/09/15
- メディア: 単行本
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一番面白かったのが結婚格差について論じている箇所で、著者によると、日本で未婚化が進展している根本理由は、
①女性は、結婚後、男性(夫)に家計を支える責任を求めるという傾向が強い。
②若い男性の収入はオイルショック(一九七三年)以来相対的に低下、そして、近年(一九九五年以降)は不安定化している。
③結婚生活に期待する生活水準は、戦後一貫して上昇している。
その結果として「男性に高い経済力を期待する女性、及び経済力が低い男性に未婚者が増えていく」というわけ。
つまり、「女性が選ぶ時代になった」というのは全くのウソで、経済的側面から見る限り、多くの女性は、一定以上の収入を稼ぐ少数の男性から「選ばれる」立場になっている。だから、最近、「占い」がはやり、エステに通う女性が増えたのである。少数となった理想の男性に出会い、彼から好かれるために、運勢に頼り、センスや外見を磨いておく。その中から一部の女性が「選ばれて」、結婚にこぎ着けるのだ。その裏には、女性の選択の対象にさえならない低収入男性が多数残されているのだが。
強調は僕によるものです(泣)。
ちなみにこの意見は、過去新聞や自治体の調査報告書などでは、いままで何度も削除されてきたとか。確かにあまりに身も蓋もない。。。